SDGsとデザイン

SDGsの17項目は多すぎると思いませんか? どこから取り組んでいったらいいのか悩ましいところです。
しかし、項目を見ていくと番号順ではないですがリンクして繋がっていることに気づかされます。
つまり一つでも解決に向かわせることで、その前後のリンクに好影響を及ぼせるのです。

SDGsの17項目の関連性を見ながら、デザインで解決していく行動を探ってみる!

例えば”15 陸の豊かさも守ろう”から始めてみます。
日本の森林に目を向けてみましょう。

日本は森林大国です。

日本の国土面積が約 378,000 k㎡ なので、森林面積は約 252,000 k㎡ となります。2520万haです。(1k㎡=100ha)

まず、森林が二酸化炭素の吸収・固定で温暖化対策に有効であることを検証してみます。
その吸収量は、針葉樹スギで1haあたり年間約炭素2.4トン、広葉樹で約1トン(林野庁HP)というデータがありますが、
針葉樹と広葉樹は面積比でほぼ半々だそうなので、単純計算で 年間約 4,284万トン の二酸化炭素吸収量になります。
これは日本の年間直接排出量 11億794万トン(2019年度 JCCCAデータ)の3.86%あたります。
家庭部門で4.8%なので、”我々の家庭生活で排出する二酸化炭素の8割を森林が吸収してくれている”といえます。

日本の二酸化炭素排出量削減のとりうる策として、CO2を吸収する森林の保持は
重要であることは言うまでもありませんので、

”13 気候変動に具体的な対策を” に関連します。

資源として考えた場合、
フィンランドに次いで第2位
フィンランドは第3位なのに!?

日本は、恵まれている森林資源を十分に活用できていません。
活用できてない理由として、安い輸入材に頼る傾向が顕著に見られます。(2019年度データから)

戦後復興の木材需要から「拡大造林」が政策として推進されました。しかし、昭和39年の木材輸入の自由化で安い外材に頼る
傾向が増大していきました。そして造林された森が伐採に適した時期となった現在、国産木材は余る一方です。
森林の荒廃も問題になっています。産業として、また森林をメンテナンスする役割を担う林業の復活が望まれます。

林業の役割の重要性を再認識し、来るサスティナブル社会の
循環型ビジネスとして成り立たたせる必要があり、

”8 働きがいも 経済成長も” に関連します。 

そのために国産木材を使った新しい建築材料、建築工法、内装材や家具の開発、付加価値を高めるデザインが求められ、
”9 産業と技術革新の基盤をつくろう” に関連します。

最新の建築デザイン、インテリアデザインに国産材を生かすトレンドが生まれています。

フェアウッドという考え方も広まってきました。
FAIRWOOD PARTNERS 木の流れから、未来をつくる。フェアウッド・パートナーズ

吉野杉は高級木材としてブランドを創り出すことに成功しています。

木は千年以上の使用に耐えうるロングライフな素材で、廃棄物として燃焼してもCO2は相殺されるカーボンニュートラルな循環型材料です。木を材料に使うことは、

”12 つくる責任 つかう責任” に関連します。

また、森の生態系については,

野生動物の多様性を守っていることは大きく、ここでも”13 陸の豊かさ”に通じています。

そして自然循環の中での森林の役割を考えた時に、
豊かな森は、豊かな海へと繋がっていると言われてています。
森で作られる養分が川から海へ流れ、海のプランクトンや海藻の生育を支えており、
それを餌とする海の生物 魚や甲殻類、貝類など 漁業を支えているそうです。

豊かな森林は豊かな海を育む。
”14 海の豊かさを守ろう” に繋がっています。


そして最後に、森林は災害に強い国土を保つために大きな役割を持つことはご存知の通りです。

森林は土砂災害や河川の氾濫など生活圏を脅かす災害から
我々の生命や財産を守る国土保全の役割も担っており、

”11 住み続けられるまちづくりを” にも関連しています。

以上のように見てきましたが、森林の問題をひとつ取り上げても前後関係で7項目がリンクしています。
つまりひとつの問題解決にコミットすることで他の解決にも好影響を及ぼすことができる訳です。

以上のようにどこからでもアプローチできると考え、今後出来るところからアイデアを提示していきたいと思います。

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